原発埼玉県民投票に、ご協力下さった全ての皆様へ
~署名活動を終えて~
原発埼玉県民投票の署名活動にご協力ありがとうございました。
非常に密度の濃い数か月を皆さまとともに活動できたことに感謝しています。
署名数は、6万筆余り(法廷署名数11万8千筆)と法定署名数を越えることができませんでした。事務局の力不足を痛感し申し訳なく思っております。
署名数が未達に終わった理由の一つに12月の衆議院の解散総選挙が挙げられます。
解散が噂され始めてから、解散が決まり選挙が実施されるまで、多くの受任者、協力団体は選挙一色になってしまいました。選挙結果を受けて脱力してしまった方も少なからず見受けられました。県民投票の運動が選挙によって途切れてしまったように感じられました。その後年末年始を挟み、大きく注目されることなく終わってしまいました。
また、準備時間が足りなかったことが挙げられます。
しかし、条例案の提出時期を統一地方選挙の解散前の県議会に提出すると決めていたので署名活動の実施時期を延ばすという選択肢はありませんでした。
統一地方選挙の解散前に条例案を提出することで、選挙をにらんだ判断を県議会に迫ることができると考えたからです。
これまで、東京都、大阪市、静岡県、新潟県で原発についての住民投票の直接請求が行われ法定署名数を達成しましたが、ことごとく議会で否決されてきました。経費が掛かりすぎる、次期尚早との理由が大きかったと思います。そこで埼玉では、経費を削減するためと投票率を上げるために7月の県知事選の日を住民投票の実施日と設定し、選挙前の県議会に提出することで、可決の可能性を上げたかったのです。
また、今年4月の統一地方選挙の前に条例案を提出することで、
①選挙の前に民主主義について考え、意思表示をしたいと望む市民を増やすこと。
②県議会に注目を集めること。県議会が市民の声を聴いてほしいという条例案をどのように扱うかを明らかにすること。
こういったことが投票行動に影響を与えることになると考えていました。
こういった理由で提出時期が、2015年2月に設定されたことにより、準備の期間が短くなったことは署名数に大きく影響したと思われます。
大きな団体には、会議等にかける時間が足りないとのことで協力を得られませんでした。協力してくださった組織でも、年度途中からの活動だったから難しい面がありました。年度計画に入れられていたらもっとできたと思うとのことでした。
また、各地域の中心を担っていただく核になる人やグループを作ることのできなかった地域もありました。時間が足りなかったことが悔やまれます。
さらに、人口の多い市での署名は苦戦しました。大きな市の対策を打てなかったことも悔やまれます。
広報力不足も挙げられます。県民の多数に周知することができなかったと思います。各地域で住民投票の意義についての勉強会をもっと数多く開き、核となる人たちを増やすことができれば運動の広がりも違ったと思います。
事務局の窮状を知って多くの方が手伝いに来てくださいましたが、事務局に常駐のスタッフが足りなかったことも挙げられます。
一方、有権者の2%を超える署名数を集めた地域が15市町ありました。地域の方々で集めきったことに感動を覚えます。その中には宣伝カーを使ったところや、チラシの全戸配布を実施した地域がありました。
改めて考えてみれば、この運動は市民がゼロから立ち上げた運動でした。一連の活動の中で、それぞれ別々に運動していた人たちが共同して取り組めたり、これまで運動に参加していなかった方が参加したりと、各地の受任者の方たちが、出会い、繋がることによって、力強い運動を広げることができました。
新聞には幾度も記事として掲載されました。朝日新聞、東京新聞、埼玉新聞に複数回取り上げていただきました。ラジオ番組で投稿したメッセージを読み上げてもらったこともありました。しかし大きなうねりとなることはありませんでした。それでも、市民が声を上げる方法として直接請求の権利があり、選挙以外にも住民投票ができることを伝え、考えるきっかけを提供できたと思います。
法定署名数には到達できませんでしたが、署名をしていただいた6万人の意思を無にしないために、県議会に請願書を提出しました。県知事には後日提出予定です。
今回の活動を地域ごとに振り返り、今後の活動に活かすための材料として、記録冊子の作成を予定しています。
今回の直接請求運動は終わりましたが、市民一人一人が声を上げ、民主主義を求める運動に終わりはありません。今後の活動に繋がる、地に足のついた運動が広がったことを確信しています。
生活クラブ生協と医療生協さいたまには、依頼に応え協力して頂きました。生活クラブ生協には、年末年始や署名簿の整理の時に会議室を使わせていただきました。
県外サポーターの方々には、WEB関係などの協力やチラシやポスターなどの制作、街頭署名の協力など、多岐にわたり協力していただきました。
労働組合等の組織にも協力を依頼しました。いくつかの組合が取り組んでくださいました。
多くの保育園やキリスト教会、福祉施設等でも署名に取り組んでいただきました。特に保育園では多くの署名を集めてくださいました。
多くの受任者、サポーター、組織、団体に支えられた運動でした。ご協力、本当にありがとうございました。
原発埼玉県民投票準備会 共同代表 水野 澄夫星丘 匡史
事務局一同